株式会社アスタスタ
UXデザイン

UXライティング ― ユーザーの迷いを減らすUIの言葉

シニアデザイナー SHIRAI

2026.6.2

おはようございます、デザイナーとしてアートディレクションとUX業務を担当しているSHIRAI(@shirai_astaster)です。

UIを使っているとき、ユーザーは画面の見た目だけで迷うわけではありません。

どこを押せばいいのか。押したあとに何が起きるのか。エラーが出たときに何を直せばいいのか。
そうした小さな迷いは、ボタンの文言やメッセージの書き方によって生まれることがあります。

アスタスタでUIを考えるときも画面構成や導線だけでなく、言葉の伝わり方を見るようにしています。言葉が少し変わるだけで、ユーザーが次の行動に進みやすくなるためです。

今回はUIで起きやすい「言葉による迷い」を起点に、UXライティングで意識していることを共有します。

UXライティングとは

UXライティングとは、UIの中で使われる「言葉」を通してユーザーの迷いを減らしていく考え方です。

画面の中には、ボタンのラベル、フォームの説明文、エラーメッセージ、完了画面の文言など、思っている以上にたくさんの「言葉」があります。
それらは単なる説明ではなく、ユーザーが「どこを押せばいいのか」「次に何が起きるのか」「何を直せばいいのか」を判断するための手がかりになります。

言葉が曖昧だったり、説明が長すぎたり、少し固くて読みづらかったりすると、それだけでユーザーは立ち止まりやすくなります。
逆に今の状況に合った言葉に整っていると、次の行動がわかりやすくなり迷わず進みやすくなります。

UXライティングは、きれいな文章を書くことよりも、UIの中で生まれる迷いを「言葉」で整えていくことに近いと感じています。

課題1:次に何が起きるのかわからない

ボタンやリンクの文言が曖昧だと、ユーザーは押す前に少し不安になります。

たとえば、ボタンの文言でも、

❌「保存しますか?」
⭕️「変更内容を保存する」

と並べてみると、後者のほうが押したあとに何が起きるのかを想像しやすくなります。

ボタンの文言は短いですが、ユーザーが次の行動を決めるための重要な手がかりです。押したあとに何が起きるのかをイメージできるだけで、操作前の不安を減らすことができます。

エラー文でも同じです。

❌「エラーが発生しました」
⭕️「ネットワークが不安定なため保存できませんでした」

と理由が分かる形にすると、ユーザーは状況を理解しやすくなり、次にどうすればいいかも考えやすくなります。

UXライティングでは、文言単体を整えるよりも、その文言が読まれる瞬間のユーザーの状態を見ることが大切です。

課題2:説明が多くて読む負担が大きい

丁寧に伝えようとすると、UIの文言は長くなりがちです。 情報を足しすぎることで、かえって読む負担が増えてしまうこともあります。

たとえば、入力フォームの説明文でも、

❌「こちらの入力欄には、半角英数字で8文字以上のパスワードを入力してください」
⭕️「パスワード(8文字以上・半角英数字)」

としたほうが、必要な情報をすぐに把握しやすくなる場合があります。

ユーザーは、UIの中で文章をじっくり読みたいわけではありません。 今、何をすればいいかがすぐ分かれば十分な場面も多いです。

もちろん、説明を削ればよいという話ではありません。大事なのは、必要な情報を残しながら読む負担を減らすことです。

説明を増やすよりも、どこまで削っても意味が伝わるかを考える。 これもUIの言葉を考えるうえで大切にしている視点です。

課題3:言葉が固くて読みづらい

UIの中の言葉は、短くても印象に影響します。

漢字が多かったり、少し固い表現が続いたりすると、画面全体が重く見えることがあります。特に、操作の途中で目に入る文言は、できるだけ自然に理解できるほうがよいと感じています。

たとえば、UIでよく見る表現でも、

❌「ご確認下さい」
⭕️「ご確認ください」
❌「登録完了致しました」
⭕️「登録が完了しました」
❌ 利用出来ません
⭕️ 利用できません

のように表記を少し変えるだけで、印象は変わります。

こうした表記の違いは小さいですが、画面の印象には意外と影響します。

漢字が多いと、少し固く見えたり読むときに一瞬引っかかったりすることがあります。 一方で、ひらがなにしすぎると幼い印象になることもあるので、ただやわらかくすればよいわけでもありません。

大切なのはその画面の中で自然に読めるかどうかです。 ユーザーが立ち止まらずに理解できるように、漢字にするか、ひらがなにするかも含めて見ています。

小さな言葉が、迷いを減らしていく

UIの文言は小さな要素ですが、ボタンの言葉、エラー文、フォームの説明、完了時のひとことが少しずつ整っているだけで、ユーザーの迷いはかなり減らせます。

次に何が起きるのか分かること。必要な情報だけが残っていること。自然に読める言葉になっていること。そうした小さな積み重ねが、迷わず進める体験につながっていきます。

UXライティングは、特別な言葉をつくることではなく、ユーザーがその場で何に困っているのかを想像することに近いと感じています。

アスタスタでは、UIを考えるときに画面構成や導線だけでなく「言葉」も含めて体験を見ています。 使いにくさの原因が実は文言にあることも少なくありません。

もし画面の使いにくさが気になるときは、レイアウトや導線だけでなく、UIの中の「言葉」も一度見直してみるとよいかもしれません。

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